2019年最終号 第64回<営業部廃止論>

“稼ぐオフィス”には、
全社営業化できる仕組みがある、

“稼がないオフィス”は、
一部の社員の頑張りにぶら下がる

 

 「ねえテラサキさん、うちには営業部があるので、ここを強化したいと考えているのだが・・・」

 “稼ぐ営業オフィス”をつくるには、「全社を“営業化”する戦略」が必要であることを述べると、十中八九このような反応があります。

 営業部を強化する、出来る営業に成長させる、新人を営業で活躍できるように教育する。

 いままでの考え方を脱することができないと、「売るのは営業の務め」という固定観念があり、それよりも素晴らしい「顧客のファン化による増益」を考えるに至りません。

 タイトルに<営業部廃止論>とつけましたが、会社にとって“営業”が不要なのではなく、“営業部”任せにすることが更なる飛躍を阻んでしまっているので、考え方を変革しましょうということを少し強い言葉で表したに過ぎません。

では、更なる飛躍をするための“営業”とはどういうものでしょうか?

 一般的に“営業”は、自社の製品・サービスという「商品」を販売します。
自社の利益を優先し、常に売るための術を考えている個人の集合体が“営業部”です。

 “稼ぐ営業オフィス”においての“営業”は、顧客の製品・サービスに「付加価値をつけるお手伝い」をします。

 利他的な商談づくりを通して、顧客に先行利益を得させてファン化することに心血を注ぎます。会社のファンを増やすことイコール“営業部”です。

一見同じようですが、本質が大いに異なります。

 たとえば、運動会でやった「棒倒し」のようだといえます。
棒倒しは、相手陣地で強い子が棒をしっかり持ち、その周りを次に強い子たちが固め、その他大勢が前衛で待機しています。

 これを一人ひとりが当たっていては、力の分散でなかなか棒まで辿りつけません。

 コツは一点集中、正面突破で味方の一番強い子が相手の弱いところを蹴散らして、次に強い子たちとその他大勢で一気に、棒を持っている強い子を総攻撃することで落とすのです。

 同じように、“稼ぐ営業オフィス”においての“営業”は、個人に頼らず、全社員の知恵を集めて仕掛けをして、「全社営業化」する仕組みから、自動的に商談を増やします。

 “営業”の本質を考えれば至極当然のことといえます。
なぜなら、“営業”の本質は、「相手の利益を考えること」だからです。顧客の利益を増やす方法を考えるなら、一人の頭より、全社員の頭を総動員した方が効果的なのは言うまでもないことでしょう。

 “稼がないオフィス”は、「優秀な一部の営業社員の売上げ」でメシを食っています。

 50名規模の会社を例にとれば、6割(30名)の“営業部”が稼ぐ利益で、全社員の給料を賄っています。もっと言えば、営業部30名中の2割(6名)が特に稼ぎ頭となって稼いでくれているのが現状です。

 その他の営業マンは、自分の給料分を稼ぐのみか、ひどいのになると、お荷物状態です。これらを押しなべて、営業部として稼ぐ利益の積み重ねで全社員が給料をもらっているわけです。

 これでは、いくら経営者が「もっと稼いで社員達に配分してやりたい」と考えても、増やすことは難しいでしょう。一部の社員がもっと頑張ることを強いられるだけで、その他大勢は、稼ぎ出す手段がないからです。

 いつまで経っても、毎月の給料と利益配分のボーナスの上限は変わりません。

 6人が個人で考え、行動して得られる結果が100%になるよりも、むしろ得られる結果が75%であったとしても、50人で総当たりして得る利益の方が多くなるのは至極当然のことです。

 できる個人の力に頼り、自社の利益を優先して、売ることばかり考えている会社は、きっとこの先ジリ貧になるでしょう。

 “稼ぐオフィス”には、「全社営業化できる仕組み」で売上げをアップします。先程の規模と同じに考えれば、10割(50名)で稼ぎ出すわけです。

 顧客の先の顧客が欲しがる、「こうあって欲しい」「こんな機能があれば欲しい」「もっとこうであれば買いたい」と思うことを自分事として捉え、ある者は企画し、ある者は試作品を作り、ある者は宣伝文句を考え、ある者は提案する・・・。

 このように、1社の顧客を相手に、総力戦で商談づくりをサポートしてあげることでヒキコミ、ファン化して、落とすのです。

 そのようになれば、この度のタイトル通り、<営業部廃止論>で構わないのです。

 全社員が“営業”の本質である、「相手の利益を考えること」を実践すれば、“営業部”なんて無くても、あなたの会社イコール“営業部”になるからです。

 顧客をファン化できれば、注文が増え、増益につながり、社員達に報いることで彼らのモチベーションもアップして更に改良して、“稼ぐオフィス”が自動的に機能します。

 これが、「顧客のファン化による増益」から更なる飛躍をする、というものです。

 今年のスタートのコラムでは、<価値あるコミュニケーション力を発揮する場>として、“稼ぐオフィス”をつくりましょうと記述しました。

 オフィスの本質的な役割が、コミュニケーションを活性化する場であり、これをつくるためには、経営者が意図を明確にし、明文化した「オフィス戦略方針書」にまとめて、社員全員が理解・共有することだと述べました。

 そして、価値あるコミュニケーションは、「相手を気にかけること」から生じ、これを円滑に行うには、「信頼関係が必要」であると述べましたが、あなたは今年それを実行することはできたでしょうか?

 もしまだであれば是非来年こそ、「オフィス戦略方針書」をまとめて、“稼ぐオフィス”をつくりましょう!

 ご相談頂ければ、私もすべてのノウハウを公開し、全力であなたのお手伝いをします。
あなたの決断力こそが“稼ぐオフィス”にする第一歩となるのです。

2020年のあなたのオフィスには、全社で取り組める仕組みを導入しますか?
それとも来年も、一部の社員の頑張りに期待するでしょうか?